ビジネスのやり取りにおいて「入金のお願い」をする場面は少なくありません。取引先や顧客に対してお金の支払いを依頼するのは、どうしても気を遣うものです。表現を誤ると、強すぎて圧迫感を与えてしまったり、逆に柔らかすぎて伝わらなかったりすることもあります。
この記事では、入金依頼の際に気を付けるべきポイントと、すぐに使える具体的な例文を紹介します。シーン別にわかりやすくまとめていますので、ぜひ日々の業務に役立ててください。
入金依頼メールを書くときの基本マナー
入金依頼は金銭に関わるため、文章の印象で相手の反応が変わります。以下の点を押さえておくと安心です。
- 感謝の言葉を必ず入れる
「お世話になっております」「いつもご利用いただきありがとうございます」といった一文で、依頼が柔らかく伝わります。 - 具体的な金額と期日を明記する
「〇月〇日までに、〇〇円をお振込みいただけますと幸いです」と明確に書くことで、相手も動きやすくなります。 - 支払い先情報を忘れずに記載
銀行名、口座番号、振込先名義を必ず記載しておきましょう。 - トーンは丁寧だが毅然と
催促ではなく依頼ですが、曖昧だと支払いが遅れる原因になるので、丁寧さと明確さのバランスを意識することが大切です。
初回の入金依頼メールの例文
初めて入金をお願いする場合は、柔らかく感謝を伝えることが大切です。
例文
○○株式会社
営業部 ○○様
いつも大変お世話になっております。○○株式会社の△△でございます。
先日ご請求申し上げました件につきまして、念のためご案内申し上げます。
ご請求金額は ○○円 となっております。
誠に恐れ入りますが、○月○日までに下記口座へお振込みいただけますと幸いです。
──────────────────────
銀行名:○○銀行 ○○支店
口座番号:普通 1234567
口座名義:○○株式会社
──────────────────────
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
支払期日が近づいている場合の依頼例文
相手がうっかり忘れていることもあるため、軽くリマインドするような表現がおすすめです。
例文
○○株式会社
経理部 ○○様
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先日ご請求申し上げました ○○円 の件につきまして、
お支払期日が○月○日に迫っておりますので、ご案内申し上げます。
お手数をおかけいたしますが、期日までにご対応いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
期日を過ぎても入金がない場合の催促例文
この場合は、やや強めに伝える必要がありますが、あくまで礼儀を失わないことが重要です。
例文
○○株式会社
ご担当者様
平素よりお世話になっております。○○株式会社の△△でございます。
先日ご請求申し上げました ○○円 の件につきまして、
本日現在、まだご入金が確認できておりません。
大変恐れ入りますが、至急ご対応いただけますようお願い申し上げます。
もし既にお手続きをいただいております場合は、行き違いとなりましたことをお詫び申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
長期未払いの場合の強めの依頼文
期日を過ぎてからかなり日数が経っている場合は、法的措置を匂わせる場合もあります。
例文
○○株式会社
ご担当者様
平素よりお世話になっております。○○株式会社の△△でございます。
さて、○月○日付けにてご請求申し上げました ○○円 の件につきまして、
本日現在、未だご入金を確認できておりません。
弊社規定に基づき、○月○日までにご入金が確認できない場合には、
誠に不本意ながら法的手続きも検討せざるを得ません。
このようなご連絡を差し上げることは本意ではございませんので、
至急ご対応くださいますようお願い申し上げます。
定期的な入金依頼をする場合の例文
家賃や会費など、毎月定期的に依頼するケースでは、定型的かつシンプルな文面で十分です。
例文
○○様
いつも大変お世話になっております。○○管理会社の△△でございます。
今月分の家賃 ○○円 につきまして、○月○日までに下記口座へお振込みいただけますようお願い申し上げます。
──────────────────────
銀行名:○○銀行 ○○支店
口座番号:普通 1234567
口座名義:○○株式会社
──────────────────────
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
入金依頼メールでやってはいけない表現
入金依頼では、NG表現にも注意しましょう。
- 高圧的すぎる言葉:「早急に支払え」「至急払わないと困る」などはNG。
- 曖昧すぎる表現:「できれば早めにお願いします」では相手に伝わりにくい。
- 謝罪過剰:「申し訳ないですが…」と弱すぎると依頼が通じません。
まとめ
入金依頼は、相手に「不快感を与えずに、確実に支払ってもらう」ことが目的です。感謝を伝えながらも、期日・金額・振込先を明確に書くことが重要です。状況に応じて柔らかくも毅然とした文章を使い分けることで、円滑な取引が続けられるでしょう。
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